「第151回 酒さ」 2024年7月19日付 「リビング多摩 」に掲載されました
- 2024年9月11日
- 一般皮膚科
状態やタイプに応じた治療法を相談して
頬や顎(あご)が赤くなる“酒さ”
頬が赤い、ニキビのようなブツブツがでて治らない…。“酒さ”といわれる皮膚の悩みについて、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・立川皮膚科クリニック院長の伊東秀記先生に、聞きました。
―なぜ、赤くなるの?
「頬や顎の皮膚の下の、動脈と静脈をつなぐ毛細血管が炎症を起こして拡張し、それが元に戻らないから、表面から透けて赤く見えます。これが“酒さ”と言われる症状で、赤くなっているだけの状態を“紅斑毛細血管拡張型”といいます。
さらにステージが進むと、“丘疹膿疱症”といって、鼻や口の周りなど顔の中央部に丘疹(小さく盛り上がった皮疹)や膿疱(膿を含んだ小さな疱疹)がみられることもあります」
―その丘疹は、ニキビとは違うのですね?
「はい。ニキビと異なるのはかゆみが出ること。ニキビ用の薬を使っても治りません」
―治療法は?
「症状に合わせて抗生剤やメトロニダゾールゲルなどを処方するなど、いくつかの改善策がありますが、まず、赤くなっていたり、ブツブツが出ている原因を正しく診断してもらうことが大事です。
紅斑毛細血管拡張症なら、赤みを消すレーザー治療(自由診療※両頬2万4200円)ができる場合もあります。医療用レーザーで、異常に開いた毛細血管だけを熱凝固させて破壊します。赤みの範囲に合わせて照射しますが、状態によっては何回かの照射が必要な場合もあります。詳しくは、納得のいくまで相談を」